遠近両用コンタクトレンズの見え方は慣れるまでが辛い?

遠近両用コンタクトレンズの仕組みとは

遠近両用コンタクトレンズは、加齢による老眼で手元が見づらくなってしまった方に、快適な視界を提供するとても便利なコンタクトレンズです。

しかし、特殊な構造のレンズのため、見え方に慣れるまで時間がかかったり、違和感が気持ち悪くなって諦めてしまう方も……。

遠近両用コンタクトレンズの見え方について、仕組みや慣れるまでの注意点についてご紹介します。

遠近両用コンタクトレンズについて

遠近両用コンタクトレンズの仕組み

遠近両用コンタクトレンズは、1枚のレンズの中に「遠くを見る用の度数」と「近くを見る用の度数」が配置されています。

遠近両用コンタクトレンズの見え方

■網戸越しに遠くの木を見た場合、木を見ようとすると網戸はぼやけ、網戸を見ると木がぼやけます。これは見るものによって、脳が最適な視界を選んで切り替えているからです。

遠近両用コンタクトを使用し始めると、初めは遠くも近くも両方ピントが合っていますが、段々と脳が最適な視界を選択するように学習します。

このため、見え方に慣れるまでは違和感を感じてしまったり、酷くなると気持ち悪くなってしまうことがあります。

見え方に慣れるまでの期間は大体2・3日から、長くても1週間程度と言われています。

バイフォーカルとマルチフォーカルって?

遠近両用コンタクトレンズを購入する際に、商品名に「バイフォーカル」もしくは「マルチフォーカル」と表記があります。どちらも遠近両用コンタクトレンズに使用する名前ですが、違いはレンズの仕組みにあります。

バイフォーカルとマルチフォーカルの違い

バイフォーカルはレンズの中に配置された度数がクッキリ別れているもの。
このため、中間距離が見づらかったり、慣れるまで違和感を強く感じたりしていました。

マルチフォーカルは遠くの度数から近くの度数までがなだらかに変化し、中間距離でも最適な視界を脳が選択できるという仕組みになっています。
このため、ものを見るための度数がスムーズに移行し、疲れを感じにくくなりました。

2020年8月現在、使い捨てソフトコンタクトレンズはほぼ全ての商品がマルチフォーカルになっています。

遠近両用コンタクトレンズの見え方に慣れるには?

リラックスした状態でつける

目の中の筋肉が疲れたり、緊張したりすると見え方が変わってしまう可能性があります。慣れるまでの使い始めの頃は、ゆっくり時間を取って、少しずつ見え方に慣れさせていくように心がけましょう。

あちこち視線を動かしてみる

遠く、近く、まっすぐ、視界の端など、視線をゆっくりあちこちに動かしてみてください。どの視界を使うのが1番ベストなのか、脳を鍛える感じです。

ただし目眩や疲れなど、異常を感じたらすぐに使用をやめ、目を休めて下さい。慣れるまでは決して無理をしない範囲でご利用下さい。

毎日使い続ける

遠くの度数・近くの度数の使い分けは脳が行います。初めてコンタクトレンズを使う場合は、1日目は1時間、2日目は2時間と言ったように徐々に使用時間を伸ばしていくよう定められていますが、出来るだけ連続して毎日使用することで脳が慣れていきます。

1日使った後に1週間開けて2回目、となるとまた使い方を覚え直しになる可能性があります。

※違和感や疲労感がある場合は無理をせず、日にちを開けて下さい。装用時間を短くするなど、無理のないペースでお試し下さい。

まとめ

1.遠近両用コンタクトレンズは遠く用の度数と近く用の度数を同時に見て、どちらで見るかは脳が判断する

2.そのため、視界の使い分けに慣れるまでは違和感を感じる場合がある

3.毎日少しずつ慣れさせることで、脳が視界の使い分けを学習する